折れ線型自閉症はなぜ起こる?何年も原因を探し続けた母親の記録

母親の気持ち

折れ線型自閉症の原因は、現在の医学でもはっきりとはわかっていません。

遺伝、免疫、腸内環境、環境要因などさまざまな研究がありますが、ひとつの原因だけで説明できるものではないと考えられています。

この記事では、実際に折れ線型自閉症と診断された息子を育てる親として、私が何年も考え続けてきた「なぜ」の記録を書きます。


1歳半健診では「問題なし」だった。

そらが2歳8ヶ月で自閉症と診断されたとき、私が最初に思ったのは「なぜ?」という問いだった。成長していたはずの子が、ある時期から変わっていく。その理由を、私は何年も探し続けてきた。

この記事には、医学的な答えは書けない。私はお医者さんではないし、折れ線型自閉症の原因はまだ研究途中でもある。

でも、親として調べて、考えて、時に自分を責めて、それでも前を向いてきた記録なら、書くことができる。

同じ「なぜ?」を抱えている人に、少しでも届けばいいと思って書く。

そらの場合:いつ、何が変わったのか

診断を受けたのは、そらが2歳8ヶ月のとき。

小児科の先生は、そらを見た瞬間に言った。「自閉症でしょう」と。その後の聞き取りで、「折れ線型」という言葉が出てきた。

折れ線型自閉症とは、いったん言葉や社会性が発達した後に、言葉が減る・反応が減る・目が合いにくくなるなどの退行(できていたことができなくなる)が見られるタイプのことをいう。

そらもそうだった。

一度は育っていた言葉が、ある時期からぽつぽつと消えていった。

変化に気づいたのは、こんなことからだった

変化は、ゆっくり、でも確実に来ていた。

最初に気づいたのは、「うん」と「ううん」を間違えるようになったこと。「おやつ食べる?」と聞くと、食べたいのに「ううん」と言う。逆になっていた。

それから、言葉の数がぽつぽつと減り始めた

これまで言えていた単語が、気づいたら出てこなくなっている。「あれ、最近言わないな」が積み重なっていく感覚。

笑わなくなった。目が合わなくなった。

名前を呼んでも振り向かない。至近距離で呼んでも、反応がない。「もしかして聞こえていない?」と思った。でも、好きなテレビ番組のオープニング音が流れると、別の部屋から走ってきた。聞こえているのに、聞こえていない。あの感覚は、今でも忘れられない。

走っているか、寝転んでいるか、そのどちらかになった。じっとしている時間がなくなった。

そして、ジャンプして手をぱたぱたさせながら喜ぶようになった。おもちゃを口に入れるようにもなった。

今ならわかる。でもあの頃の私には、何が起きているのか全然わからなかった。

私が最初に疑ったこと

正直に書く。

頭から離れなかったことがある。

そらが1歳のころ、自転車のチャイルドシートから落ちたことがあった

大事には至らなかった。でも、折れ線型と診断されてから、私はずっとそのことを思い返すようになった。「あれが原因だったのかもしれない」「あのとき私が不注意だったから」と。

信じたくなかった。でも、疑ってしまう自分もいた。

親というのは、原因を探すとき、まず自分を疑う生き物なのかもしれない。

折れ線型自閉症の原因はわかっているの?

現在の研究では、折れ線型自閉症の原因は完全には解明されていません。

遺伝、免疫、腸内環境、脳の発達、環境要因などさまざまな研究が進められていますが、一つの原因だけで説明できるものではないと考えられています。

だからこそ、私のような親は「なぜ?」と探し続ける。答えが出ないまま、それでも調べ続ける。

いろんな「原因説」を調べた

責めながら、同時に調べていた。

ワクチン説も読んだ。海外の論文まで漁った。結論として、現在の研究ではワクチンと自閉症の因果関係は否定されているが、当時の私にはその判断をする余裕がなかった。

腸内環境との関係も調べた。自閉症の子は腸のトラブルを抱えやすいという話を読んで、そらの軟便や腸の様子をずっと観察するようになった。これは今でも続けている記録になっている。

睡眠についても振り返った。あの時期、そらはよく眠れていたか。夜泣きは多かったか。

遺伝的要因も考えた。家族の中に似た特性の人はいないか。

どれも、完全な答えにはならなかった。でも調べることで、少しだけ気持ちが落ち着いた。「わからないこと」を「わからないまま受け取る」練習だったのかもしれない。

「そらは違う」と信じたかった

調べるうち、回復した事例を見つけた。

「折れ線型自閉症だったけれど、今はほぼ症状がない」という子の話。それを読んだとき、私は泣きながら何度も読み返した。

そして思った。「そらは違う。そらは絶対に回復する」と。

でも正直に言うと、その言葉の裏には「信じたくない」という気持ちもあった。診断を受け入れながら、受け入れきれていない部分が、ずっとあった。

「そらは違う」
「そらは絶対に回復する」

当時の私は、本気でそう信じていた。

今振り返ると、あの必死さは、息子への愛情でもあったけれど、現実から目を背けたい気持ちでもあったと思う。

どちらも本当だった。

今、私が思うこと

あれから何年も経った今、「なぜ折れ線型になったのか」という答えは、まだ出ていない。

医学的にも、折れ線型自閉症の明確な原因はわかっていない部分が多い。遺伝・環境・免疫・腸内環境・炎症……さまざまな仮説があるが、「これが原因です」とは言えない状態が続いている。

でも、いつからか気づいた。

「なぜ起きたか」より、「これからどうするか」の方が、そらの未来に関係しているということを。

私が自転車の事故を何万回後悔しても、そらの今は変わらない。でも今日、療育に連れていくことは、そらの明日につながる。

時間は待ってくれない。

だから私は、幹細胞治療を選んだ。腸活を始めた。ABAを続けている。記録を書いている。

答えが出ないなら、動き続けるしかない。それが今の私の答えだ。

おわりに

「なぜ折れ線型になったの?」

同じ問いを持つお母さん、お父さんへ。

この問いに、完璧な答えを出す必要はないと思う。答えが出なくても、子どものそばにいることはできる。調べながら、悩みながら、それでも前を向くことはできる。

私は今でも、この問いを持ち続けている。でも以前みたいに、その問いに押しつぶされそうにはならなくなった。

少しずつ、前に進んでいる。


よくある質問

Q. 折れ線型自閉症はなぜ起こるのですか?

明確な原因はまだ解明されていません。現在有力とされているのは、遺伝的要因に加えて、腸内環境・免疫・神経炎症などの複合的な要因が関わっているという考え方です。わが家では医師から「なぜこの子がこの時期に後退したのか、正確にはわからない」と言われました。原因がわからないことが、親として最もつらい部分でもあります。

Q. 折れ線型と通常の自閉症は何が違いますか?

最大の違いは「一度獲得した発達が失われる後退がある」点です。一般的な自閉症は生まれつきの特性として表れることが多いのに対し、折れ線型は1歳〜2歳半ごろまで順調に育っていた子が、ある時期から言葉や社会性を失っていきます。「あの頃はできていたのに」という記憶が積み重なる分、親の心理的な負担も大きいです。

Q. 折れ線型自閉症は治りますか?

「完全に元に戻る」という意味での回復は、難しいケースが多いとされています。ただし、療育・環境調整・医療的サポートによって、発達が進んでいく子どもは多くいます。うちの子は後退後5年以上経ちますが、毎年確実に成長しています。「治る」より「育っていく」という感覚に近いです。

Q. 折れ線型と診断されたばかりです。まず何をすればいいですか?

まず、自分を責めないことです。原因不明なことが多い中で「自分のせいかもしれない」と感じる親御さんは多いですが、あなたのせいではありません。次に、信頼できる専門医・療育機関とつながることを最優先にしてください。この記事内に、わが家がやってきたこと(ABA療育・腸内環境・幹細胞治療)の詳細をまとめてありますので、参考にしていただければ幸いです。

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