1年が経った
息子が幹細胞治療を受けて、1年が経った。
この記事を書こうと思ったのは、「劇的に変わった」という話をしたいわけではないからだ。
むしろ逆だ。
「180度ガラッとは変わらなかった。でも、やる価値はあった。」
それが今の私の正直な答えで、それを書き残しておきたいと思った。
一番驚いた変化は「うんち」だった
1年間を振り返って、「これは幹細胞の効果かもしれない」と一番感じた変化を一つ挙げるとしたら——
うんちの変化だ。
意外に思うかもしれない。でも、これが一番驚いた。
息子は3歳半のとき、ようやくトイレでうんちができるようになった。それからずっと、下痢や軟便が続いていた。毎日毎日、ほろほろとした形のないうんちで、拭いても拭いても落ちない。水便の日は5〜10回拭いても終わらなかった。
それが1年の間に変わった。
最初の変化は、治療から約4か月後の2025年11月ごろのことだ。
「1回拭いても、何もついていない。」
その日、私は記録にこう書いた。「5年間で初めての経験だった」。
3歳半からトイレでうんちができるようになって以来、ずっと複数回拭き続けてきた。その記録が途切れた瞬間のことを、私は今もよく覚えている。
ただ、その頃はまだ「定着」とは言えなかった。波があった。
転機になったのは、排便時間のルールを変えたことだ。「5分」から「3分」に。長く座りすぎると後半が軟便になりやすいとわかってきたからだ。
3分ルールに変えてから、0拭きが出る頻度が増えてきた。そして2026年6月に入り、定着し始めた。
今は、1回か2回拭きで落ち着く日が増えた。完全に解決したわけではなく、プールの後やおなかの調子が悪い日は崩れることもある。でも「毎日複数回拭き」だったあの日々からは、確実に変わった。
睡眠も変わった
もう一つ、はっきり変わったと感じているのが睡眠だ。
治療前、息子はメラトベルで入眠すること自体はできていた。でも、週に1〜2回、夜中に突然起き上がることがあった。
寝ている家族の上を、ジャンプして歩き回るのだ。
その夜は誰も眠れない。翌朝も全員が疲れ果てている。翌日のセラピーの質も当然落ちる。
正直に言う。そのころ、私は鬱になりそうだった。いいことなんて一個もなかった、と思っていた。
それが今、途中覚醒は月に1回あるかないかになった。起きても、立ち上がらずじっとしていることが多い。
週1〜2回が、月1回以下に。そして「上をジャンプ」が「じっとしている」に変わった。
これも、数だけでなく質が変わったと感じている。
正直に言う——言葉と社会性は「思ったより」だった
一方で、正直に書かなければいけないことがある。
社会性と言葉については、「もっと変わると思っていた」というのが本音だ。
「急に友達とたくさん遊ぶようになった」はない。「言葉が爆発的に増えた」もない。
社会性は、「人にめちゃくちゃ興味を持って遊び出す」ではなく、「人を気にし始めたレベル」だ。言葉は、少しずつ増えてきている。
でも、「少しずつ変化している」のは確かで、止まっているわけではない。
幹細胞の効果なのか、ABAなのか、年齢なのか
よく聞かれることがある。「その変化は幹細胞の効果ですか?それともABAですか?」
正直に言うと、混ざっているものが多い。
社会性・言葉・運動・学習——これらはABAの効果なのか、年齢による発達なのか、幹細胞なのか、私には分けられない。全部が重なっている。
でも、睡眠・多動・便については違う。
これは混ざっていない、と感じている。
ABAで便は改善しない。年齢だけで睡眠の途中覚醒がここまで変わるとも思いにくい。この3つについては、幹細胞治療の効果である可能性が高いと、私は感じている。
5〜6月の便の記録(実データ)
参考までに、5月から6月末にかけての便の状態を記録しておく。
5月: 拭き取り2〜3回が普通。0回拭きはほぼなし。(初めての0回拭きは2025年11〜12月だったが、定着はしていなかった)
6月6日: この日も0回拭き。6月に入ってから定着の兆しが見え始めた。
6月中旬: 1〜2回拭きの日が増える。おならの臭いがなくなる日も出始める(6/17、6/25、6/26)。
6月末: 見た目より拭き取り回数が少ない日が続く。完全には安定していないが、傾向として改善している。
もう一つ気になっていること——プールの後に便が崩れる日があり、水を飲んでいる可能性を疑っている。
そして、6月20日、スーパーで息子が自分から「お腹!」と言った。
お腹に不快感があることを、言葉で伝えてきた。それも一つの変化だと思っている。
「やる価値はある」と「誰にでも勧めない」の両方が私の答え
最後に、同じように悩んでいる親御さんへ正直に伝えたいことがある。
私自身は、治療を受けてよかったと思っている。
特に、睡眠と便——この2つで長年悩んでいて、解決策が見つからなかった。ABAでも改善しなかった。その2つが変わってきた。それだけで、私はやる価値があったと思っている。
でも、「誰にでも今すぐ受けるべき」とは言えない。
費用は高額だ。劇的に変わる保証はない。言葉と社会性については、私自身「思ったより」と感じている部分がある。
だから私が伝えたいのはこれだ。
もし睡眠や便の異常で困っているなら——やる価値はあると思う。
でも、まずは毎日の療育や、家庭での関わり方の工夫を積み重ねること。それでも「できることはやり切った」と思えたとき、治療を検討するタイミングなのかもしれない。
治療を受ける前の自分に言えるとしたら、この一言だ。
やる価値はある。
でも、その前に目の前でできることは全部やってほしい。
その上で選んだなら、私はこの1年を後悔していない。
まとめ
- 幹細胞治療から1年が経った
- 一番驚いた変化は「便」——0回拭きの日が初めて来た
- 睡眠の途中覚醒:週1〜2回 → 月1回以下に
- 言葉・社会性:劇的な変化はないが、少しずつ変化している
- 睡眠・多動・便はABAや発達と「混ざっていない」——幹細胞の効果だと感じている
- 「やる価値はある」と「誰にでも勧めない」両方が今の正直な答え
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この記事は、私自身の体験を、私の言葉で書いた記録です。効果には個人差があり、本記事は治療を推奨するものではありません。医療的な判断は必ず専門医にご相談ください。
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