これは、折れ線型自閉症(言葉の後退が見られるタイプ)の実体験と情報をまとめた記事です。
「折れ線型自閉症」という言葉を、はじめて聞いたとき、頭が真っ白になりました。
ふつうに育っていたはずの息子が、ある日を境に変わっていく。
その経験をした親として、「折れ線型自閉症とはどういうものなのか」を、実体験とともにお伝えします。
📖 実際の診断までの体験談はこちら → 喋っていた息子が、喋らなくなった日|折れ線型自閉症と診断されるまでの記録
折れ線型自閉症とは?
折れ線型自閉症とは、一度獲得した言葉や発達が、ある時期を境に失われていくタイプの自閉スペクトラム症(ASD)です。
一般的な自閉症は生まれつきの特性として表れることが多いのに対し、折れ線型は1歳〜2歳頃まで比較的順調に発達していた子どもが、突然または徐々に後退するのが特徴です。
「折れ線」という名前は、発達の軌跡がグラフで見たときに折れ曲がって見えることに由来します。
折れ線型自閉症の特徴
発達の後退(退行)
それまであった言葉が減る、または消える。名前を呼んでも振り向かなくなる。アイコンタクトが減る。できていたことができなくなる。このような変化が数週間〜数ヶ月かけて起きることが多いです。
後退が始まる時期
多くの場合、1歳半〜2歳半頃に後退が見られます。ただし個人差があり、3歳以降に気づくケースもあります。
後退のきっかけ(とされることが多いもの)
明確な原因がわからないことがほとんどですが、下の子の誕生・転居・体調を崩した後などをきっかけとして気づく親御さんも多いようです。ただし、これらが「原因」かどうかは医学的に証明されていません。
うちの子のケース
息子のソラは、1歳を過ぎた頃から少しずつ変わっていった。
最初は「うん」と「いいえ」が逆になった。呼んでも振り向かなくなった。「ママ」と呼んでくれなくなった。
一番怖かったのは、抱っこしたときだった。
だらんとした。抱きつき方を、忘れてしまったようだった。
それまでキッチンセットで「どうぞ」「ありがとう」とやり取りしていた遊びが消えた。おもちゃの食材をただ並べるだけになった。
ソラが私の方を向いている。でも、私を見ていない。
ママが透明人間になったかのように、その向こう側を見ていた。
診断を受けたのは、その後しばらく経ってからのことだった。
「折れ線型自閉症」という言葉を知ったのも、そのときだった。
折れ線型自閉症の原因は?
現時点では、折れ線型自閉症の明確な原因は解明されていません。
脳の発達や遺伝的要因、環境要因など、複数の要素が関係していると考えられています。
「なぜこの子が」「何かしてしまったのか」と自分を責めた時期もありました。
でも、原因を断定できる情報は今の医学にはまだない。
分かっているのは── この子がこの子として存在していること。そして、そこから始めるしかないということ。
折れ線型は「治る」のか?回復の可能性について
「回復」という言葉には、慎重になる必要があります。
「元通りになる」という意味ではありません。
でも、変化は起きる。
ソラも変わってきている。少しずつ、じわじわと。
私たちの実感としては──
土台が整うと、伸びやすくなる感覚がありました。
睡眠が安定した。腸が整った。幼稚園で自分から動く姿が増えた。目が合うようになった。ニコッと笑い返してくれるようになった。
「お母さん」と呼んでくれるようになったことは、私にとって忘れられない瞬間です。
一夜にして劇的に変わることはない。でも、確実に積み上がっている。
回復の速さや程度は個人差が大きく、療育・環境・体のケアなど複数の要因が関わってくると感じています。
実際にやってきたこと
ソラのために取り組んできたことを、正直にまとめます。
ABA療育(応用行動分析)
応用行動分析(ABA)の考え方を取り入れた療育。「座る」「来る」など小さなステップから積み上げました。
うちは書籍を使った家庭ABAから始めました。言葉・社会性・行動のスキルを少しずつ積み上げていく方法です。
トイトレも、この方法で1ヶ月で自立できました。
▶ 実際にABAでトイトレを1ヶ月で自立させた手順はこちら → 自閉症の子どものトイトレはできる?ABAで1ヶ月で完了した方法と全手順
▶ ABAと幹細胞治療、どちらが良い? → 自閉症に幹細胞治療は必要?ABA療育だけじゃダメ?体験者が出した結論
体の土台を整える(腸・睡眠)
折れ線型に多いとされる睡眠障害・腸の問題に取り組みました。
腸内環境の改善:
便の状態と機嫌・行動が連動していると気づいてから、腸を整えることに取り組みました。腸が整うと、自分から動く姿が増えました。
▶ 腸が整ってから幼稚園での行動がどう変わったか → 自閉症の子どもは腸で変わる?腸内環境改善後に起きた行動変化の記録
睡眠の改善:
夜中に何度も起きていたソラが、朝まで眠れる日が来ました。睡眠が安定すると、日中の状態も変わりました。
▶ 5年間眠れなかった夜が変わるまでの記録 → 自閉症の睡眠障害が改善した記録|朝まで眠れなかった息子が変わった日
幹細胞治療
ABAを続ける中で、「療育だけでは届かない部分があるのでは」と感じるようになりました。
その中で、私たちは幹細胞治療も選択しました。
500万円という大きな決断でした。
費用・リスク・効果の不確かさを全て理解した上での決断でした。
治療後3ヶ月で、睡眠・腸・行動に変化が出ました。すべてが治療の効果とは言い切れない。でも、私たちにとっては大きな転機でした。
▶ 500万円をかけて治療を選んだ理由 → 自閉症の幹細胞治療を受けた理由|500万円の決断と後悔しないために考えたこと
▶ 治療後3ヶ月で実際に何が変わったか → 自閉症の幹細胞治療、効果はあった?術後3ヶ月で起きた変化をすべて公開
※ 幹細胞治療については、医学的エビデンスがまだ発展途上の分野でもあり、効果や感じ方には個人差があります。本記事は私たちの体験を共有するものであり、医療的な助言ではありません。
折れ線型と診断されたとき、一番伝えたいこと
診断された直後、私は「なぜこうなったのか」「何が悪かったのか」ばかり考えていました。
でも今思うのは、原因探しより「今、何ができるか」に目を向けることが一番大事だったということです。
言葉が戻るかどうかは、誰にもわかりません。
でも、親が諦めずに動き続けることで、子どもに届くものは必ずあると信じています。
▶ 診断までの体験談 → 喋っていた息子が、喋らなくなった日
▶ もう一度「ママ」と呼ばれたい、と思った母の話 → 「ママって呼ばれたい」だけで、私は治療を選んだ


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