自閉症の子どもに多い「睡眠障害(寝ない・途中覚醒)」に悩んでいる方へ、実体験をもとに書いています。
はじめに|20時から始めて、気づいたら日付が変わっていた
20時に寝かしつけを始めた。
気づいたら、時計は1時を過ぎていた。
それが、当たり前の毎日だった。
自閉症の子どもの「眠れない夜」がどれほどのものか、経験した人にしかわからないと思う。
この記事は、息子のソラ(折れ線型自閉症)の睡眠が変わるまでの5年間のリアルな記録です。
治療前の夜|これがうちの「普通」だった
寝かしつけの様子
寝かしつけを始めるのは毎晩20時。
でもソラが眠りにつくのは、早くて23時、遅い日は日付を跨いで1時を過ぎることもあった。
その間、何をしていたか。
トントン。
腕が痛くなるまでやった。絶対寝ない。
ぎゅっと抱きしめて寝た。
専門家に相談したら「愛情不足かもしれない」と言われた。
だからぎゅっと抱きしめた。寝るわけなかった。
おんぶして2時間、歩き回った。
部屋中をぐるぐると。腕じゃなく背中と足が限界になった。
耳鳴りがして、目の横がピキピキした。それでも、寝なかった。
車に乗せてドライブ。
2時間じゃ寝ない。ガソリン代を祈りながら運転した。
たとえ寝ても、車から移動したら起きる。意味がなかった。
途中覚醒の恐怖
やっと寝た、と思っても終わりじゃなかった。
夜中の3時、突然起きる。
走り回る。飛び回る。奇声。
家族の布団の上をジャンプして踏みつける。
ジャングルジムのある部屋に移動して、高いところから何度も飛び降りる。
家族は全員起こされる。誰も寝られない。
夜中の3時に起きたら、そのまま朝まで起きていることも多かった。
付き合い続けた私は、目の下にクマができた。
イライラして、誰かのせいにしたくなって、家族に八つ当たりした。
つらすぎた。もう限界だ、と何度思ったかわからない。
最恐エピソード|あの夜のことは一生忘れない
ある夜、限界を超えた。
布団から起き上がれなかった。身体が動かなかった。
ソラが起きて走り回っているのに、私は目をつぶったまま、動けなかった。
次の瞬間——
シャッターを音が聞こえた。
飛び起きた。
ソラがシャッターをこじ開け、窓をよじ登って、外に脱走していた。
すぐ追いかけたから間に合った。
でも、もし気づかなかったら。
それを考えると、今でも怖くなる。
「もう限界」と思っても、目を離せない。そのプレッシャーが、さらに追い詰めていた。
転機①|4歳でメラトベルを処方してもらった
脱走事件の後、主治医にお願いした。
メラトベル(メラトニン)を処方してもらったのは、ソラが4歳のとき。
飲ませた初日、信じられないことが起きた。
30分以内に眠った。
「え……寝た?」
今まであの時間は何だったんだろうと思った。
と同時に——
「もっと早く頼ればよかった。」
入眠は劇的に改善した。でも途中覚醒は残った。週1回、季節の変わり目には必ず起きた。漢方も併用したが、効いたり効かなかったり。完全には解決しなかった。
→ その後の変化は「幹細胞治療後3ヶ月で起きたこと」に詳しく書いています。
転機②|幹細胞治療から1ヶ月後(2025年8月下旬)
2025年7月に幹細胞治療を受けた。
その1ヶ月後、8月下旬ごろから——
「あれ?起きてない」
と気づく夜が増えてきた。
それまで週1回以上あった途中覚醒が、月に数回になった。
体調が悪い日以外は、朝まで眠れるようになった。
体調不良の日に起きることはあるけど、それ以外はほぼぐっすり。
しかも途中で起きても、また寝てくれる日が増えた。
医師の3ヶ月検診でも言われた。
「睡眠の改善については、幹細胞治療の効果である可能性が高い。」
「普通」がこんなにありがたいとは思わなかった
今、ソラはほぼ毎晩朝まで眠れている。
体調が悪い日は起きることもある。でも、それは「普通の子と同じ」だ。
20時に寝かしつけて、朝まで寝ている。
それだけのことが、5年間できなかった。
普通がこんなにありがたいことか、と思った。
私も眠れるようになった。クマも消えた。イライラが減った。
家族への八つ当たりも、なくなった。
「眠れる」というだけで、こんなにも生活が変わる。
同じ状況のパパ・ママへ
毎晩戦っているあなたへ。
「愛情が足りないのかな」と思って抱きしめてみた経験がある人、絶対いると思う。
私もそうだった。愛情の問題じゃなかった。
もし睡眠でしんどいなら——
まず主治医に相談してみてください。
メラトニン系のお薬を処方してもらえる場合があります。
「薬に頼るのが怖い」気持ちはわかる。私もそうだった。
でも飲ませた夜、ソラが30分で眠った瞬間、後悔は消えた。
眠れない夜は、親も壊れていく。
助けを求めることは、逃げじゃない。
「いつ終わるのか」は正直わかりません。でも、うちの場合は5年間続いたあと、変化が起きました。あなたの夜にも、必ず変化が来ると信じています。
腸の変化についても同じ時期に変化がありました。
→ 腸の記録はこちら
※あくまで個人の体験です。医療的な判断は必ず主治医にご相談ください。
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